この日はある思い入れを持って荒川区は日暮里まで湯に浸かりにいった。我輩のノスタルジーでありまつ。
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金曜日定休 荒川区東日暮里6-59-2 03.3801.4022 16:00〜24:00営業
流し 400円 / 貸しタオル 20円 / バスタオル 100円 / 手ぶらセット 100円 / ドライヤー無料
うーん、どっかで見た光景。そう!池之端「六龍鉱泉」と全く同じでありまつ。以前、夜に訪れた時に問題なく入れたので我輩チャレンジでありまつ。他の常連客に見栄を切り片足を入れそして沈もうとした途端、異変が‥‥‥。「あ、アツッ!」とんでもない熱さでありまつ。温度計を見ると47℃、けして入れない温度ではないと思うが入れない。常連さんたち、ニヤニヤしてまつぞ、くやしい。
こうなったら意地でも浸かってやる!と思い、邪道だがカランで水を何度も身体にかけ続け十分に冷やしてから再び入ろうとしたのだが駄目。なんとかもっと根性出せば入れないこともなかったのだが、実は熱い風呂というのは入る時でなく出る時が地獄の熱さを感じるのでR。経験上、この温度では出る時とんでもない状態になると判断し、ギブしますた。(後から聞いた話だと常連さんたちは結構遠慮なく水でうめているそうだ。前回来た時に入れたのは夜だったので、既に水で湯温が低くなってたんでしょーな、情けない)
冒頭で述べたように昔、銭湯で毎日我がじーさんが【流し】を頼んでいた。木札を置いておくと【流し/三助】と呼ばれる年配の人が来て背中を【流し】てくれて、肩まで揉んでくれる。子供の頃はたまにサービスで隣に座っている我輩の頭なんかも洗ってくれたりして。
しかしながら子供から見れば銭湯で【流し】を頼むってことは大人だけに許されることで、いわば銭湯におけるステータスであった。大人になったら頼むんだと思っていたはずの我輩だったが、結局は何十年も銭湯に行かない日々が続き、銭湯に再び行きだした頃にはこの素晴らしきサービスを提供する銭湯はなくなっていた。
斉藤湯は東京で唯一このサービスが残っている銭湯であったのだ。フロントで入浴料450円を払う時に流しの料金400円を払い、木札を受け取る。常連さんは日常だろうが、我輩にとっては VIP席を予約したときのような高揚感がわき上がる。
頭を洗っていたら「もう、いいかい?」と最後の【流し】橘さんが声をかけてきた。TVや雑誌で何度も見たあの顔でありまつ。基本的に垢擦りタオルのみ持っているので、石鹸や肩揉み時に使うタオルは客のを利用しまつ。背中一面と腕を洗い終わると肩揉み‥‥御歳71歳の先輩に肩を揉まれるのは恐縮しかり。ゆるめの肩揉みなので「やっぱ歳なんだろうなあ」と思っていたが、時折グッとツボに入る揉み方には熟練を感じますたぞ。
10分間と聞いていたんだけど15分近くやってくれたんじゃないだろーか、400円の贅沢を味あわせてもらいますた。最後に背中にかけてくれた熱い湯がたまらなかったでつな。
さて我輩が実行中の「風呂屋の富士山詣で」も今回の思い入れの斉藤湯で9合目まで来ますた。